私を含め約8000人のファンが、キラキラした瞳で会場ステージに向かって拍手、サイリウムを振っていた。
「NAKAMA to MITTING_vol.1」と題された、ファン向けのミニコンサート。
今月を皮切りに、全国で22公演の開催。延べ10万人以上を動員するビッグイベントだ。
彼らの登場とともにこみ上げるものがあった。ちょっぴり涙と笑い溢れるイベントだった。
彼らを生で見るのは初めてだった。ラジオやテレビの中にいる彼らと、今目の前にいる彼ら。当たり前だけど同じだった。同じであることに驚いた。基本的に、芸能人の”キャラ”は作られたものであると思っている。だけど、その作りがあまりにもナチュラルだった。ビジュアル、歌、トーク、全てにおいて彼はプロのアイドルで、エンターティナーだった。
公演後、乾いた喉にハイボールをぐびぐび注ぎながら妙なことを考えはじめた。
先週、詐欺容疑で逮捕された経営者のニュースがあった。40歳前後の男が、ある時はミュージシャンとして歌を歌い、ある時は神主の格好で、支援者達の心を掴み、大金を巻き上げていたという。整った顔立ちで、ファン(支援者)には妙齢の女性が多くいた。容疑者と、今日の3人の彼らは何が違うのだろうか。…ファンなのに、発想が下世話ですいません。
酔った頭で考えた結果。容疑者と、彼らの決定的な違いは「見えない部分」と「人柄」なのだ。
陰で支えているスタッフ、20年以上芸能の世界で積み上げてきた経験や勘、周囲への想い、責任などの「見えない部分」。
耐え難い環境を乗り越えるのではなく、飲み込み、それでも明るく朗らかでいられる「人柄」。
では、我らファンはどうか。
詐欺師を本気で支援していた彼女達と、自分達はどう違うのか。経済力?愛情?思い込みの強さ?
NAKAMA(=新しい地図のファンをこう呼ぶ)がどんな方々なのか、興味半分・不安半分だった。
私はお一人専用ブロックに座った。隣になった女性に、勇気を出して話しかけた。私より少しお若い印象。SMAPのコンサートに中学生の頃から行っている、誰のファンという訳ではなく、5人のファンだと言う。彼女以外にも、長年のファンだという方が半分以上という印象だった。SNS内の熱狂的な印象と、実物のファンにはギャップがあった。開場直後から最後まで皆落ち着いていて、穏やかな雰囲気だった。今回のイベントは非・日常ではなく、もっと身近で温かいものに触れた様な感覚があった。
イベントに行く前、正直私はその盛り上がりに宗教的なものを感じていた。イベント後、その感覚は全く払拭されたとは言い切れない。アイドルイベントに流れる空気感。「宗教的なもの」は必ずどこかにある。ただ、新しい感覚も心に残った。これだけ大きなイベントに、一斉に人が集ったにもかかわらず、ふわりと軽く、明るい雰囲気。これは初めての経験だった…。
素直に楽しかった!と書けない楽しみ下手なレポート。
イベント終了後のお見送りに現れた稲垣吾郎さんは、マネキンの様な造形美でした。
新しい地図の益々のご活躍とNAKAMAの笑顔を願って!
(いつかSMAPのコンサートにも行けます様に…!)