絵描きの徒然

ノンフィクションな空気感

2019年1月12日

今日から日本は3連休。大した予定もなく、朝からのんべんだらりな夫婦。外は寒い。家でパソコンのメンテをしたり、ゆっくりお茶を飲みたい。こんな日にぴったりな4話完結のドラマ。ぴったり、というかそのままのドラマ。Amazonプライムにて視聴。監督・松本佳奈。 原作・群ようこ。

「かもめ食堂」「めがね」「プール」の製作チームと聞いて、他のチームだったら逆にびっくりするわというくらい雰囲気は同じ。『餅は餅屋でなにか問題ありますか?』と聞こえてきそうなくらいの偉大なマンネリズム。そう、マンネリズムは偉大なのだ。そして私はそういうものが10代の頃から大好物である。

わたしが昔から好きなもの

絵を描く仕事をする。と、強く強く思っていた高校時代。わたしは「わたしが好きなもの」を必死で探していた。今よりたくさん本を読んでいたし、映画館にもよく行った。その内、このドラマのような、ありふれた日常を描いたようなものに惹かれがちなことに気がついた。派手なアクションや、2次元でしかありえないシチュエーションよりも、明日自分の身にも簡単に起こりそうな空気感に、妙に心が躍るのだった。

音楽もそうだ。

流行りの曲も好きだったけど、大貫妙子や矢野顕子、山下達郎、ビートルズ、イーグルス、ゴンチチなど、若々しいセレクションと言い難い曲々をMDプレーヤーに収めて通学していた。穏やかで、そのまま眠れそうな曲ばかり。

私が選ぶものは何をとっても「パンチ」がない(※若者にとって)ので、周囲の友達はさぞかし退屈だっただろう。もう少し大人になってから好きになった小津安二郎の映画や、大島弓子の漫画は、誰に紹介することもなく1人で愉しんでは、余韻に浸った。

若い頃好きになった物事は、後の人生になかなかの影響を与える。今、夫とアパートで2人暮らし。ドラマティックなことは起こらない。退屈で死にそうなわけでもない。日々は淡々と過ぎる。ダイニングテーブルでこうやってブログを書き、その隣で夫はテレビを見ながらスナック菓子を食べている。今ここに流れているものが懐かしい。昔から求めて続けた空気感だ。

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